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03Inshore Racing

Code-0 [コードゼロ] for IRC racer

ミドルボート選手権に向けたスーパーウェポン!
今週の納品はIRC対応の[Code-0]です。
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正面から見るとジェノアに見間違う程のエントリーアンングル、サギング量はジェノアの約2倍を想定し、ラフにホロー(凹み)をデザインしています、ハリヤードの種類やジャマー(ストッパー)の強度にもよりますが、40ft位まではウインチの力でサギングコントロールが可能です。
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フットをサイドステーギリギリまで引き込むと、微風でヘッドセイルを深めにセットするアングルに限りなく近いシーティングとなり、クローズリーチで使用可能となります
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横から見るとようやくジェネカーのプロファイルが確認出来ます、LPはアップウィンドでの使用レンジを上げるため、あえて150%付近を採用。
この1D35のように、最近のノンオーバーラプジブが標準のレーサーが、仮に150%LPのジェノアを搭載した場合どれくらいポテンシャルが上がるかを想像して頂ければ、この150%という設定が効いてくる事をお分かり頂けると思います、
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セイルホイストは通常のスピンと同じです、セイルのラフに高強度のスペクトラロープが搭載されておりますので、ウインチでの巻き上げによりフォアステーの役割を担っています。
IRCではハリヤードのイクジット高さに規定がないため、可能であればマストヘッドからハリヤードをとる方がより効果的(フットの長さを変えず、高さが増やせるから)
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ターゲットはAWA30〜60、TWSは0〜10kt、2.2ozと3.4ozの特殊生地を使用しています、軽量ですが、ケブラー繊維が伸びを最小に抑えます。
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ジェネカーとしては浅く、ジェノアとしては深い、この微妙なシェイプがデザインの腕の見せ所、
リーチ後半のフックは、ジェノアではあり得ないのですが、ミッドガース(セイル中間幅)がフットの75%以上なければ違反(IRC-Rule26.3.4)となるため、リーチの膨らみをばたつかせないために必要なダーツなのです。 
これにより、風速が上がるとメインセイルへのバックウインドが大きくなり、そのくらいの風速までがコード0の使用範囲といってもいいかもしれません。
オーバーラップジェノアを搭載している艇では、使用レンジが狭まります、逆に、Mumm30,Vite31,GP33,X-35,1D35,BC37,Farr40,等では非常に有効です、興味のある方と言わず、ディスタンスレースでも絶対勝ちたい方には是非お勧め致します。
費用は通常ジェネカーとほぼ同額から、小さいサイズでは70%位のお値段です。
ご質問等、お気軽に、まずはお問い合わせ下さい。[hl-sails@kg8.so-net.ne.jp]
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のんびりでもないレース

3月1日はシーボニアの「のんびりレース第3戦」トレッキー(Muir40)にて参戦
正月に行われた南西ブイ回航の1戦目はシェイクダウンも済んでおらず、とりあえず参加。
レーティングを持っていな無かったのでOPENクラスで出場も、トリム、コース、総て噛み合わず惨敗でした。
今回は合宿と大幅なメンバー補強によりソフトの部分ではまとまりが見えてきた所、IRCレーティングも発行されており、いよいよ相模湾のレースシーンにデビューする事ととなりました。
セイル類は全オーナーから譲り受けたもの(大半が元ラッキーレディーのセイル。。)を使用していましたが、スピンだけは昨年、トレッキー用に製作した150平米の巨大ジェネカーを搭載!
昨年まではガンポールで使用していたものをスピンポールにセットして使うので、多少シェイプがおかしいのですが、まあ、エリアがあれば良いでしょ!との判断で使っています。
今回のコースは剣先沖ブイのショートディスタンス。
トレッキーの最も得意なコースなので気合いも入ります。
30〜40度の北東風でスタート、ピンエンドが有利なのにあまり混み合わず、3番手でピンエンド
スタート、即ジャイブでジェネカーアップ!
前にはカラスと元のマストオーナーご子息様が操るラッキーレディー号。
ちょい右前にこれまた巨大ジェネカーでフル加速中のSWAN42エスメラルダ号。
ヘディング170度でTWA140度、ジェネカーがグイグイ加速させてくれます。
あっという間にカラスの上手にオーバーラップ、嫌ったカラスはショートの2ジャイブでアウトサイドへ。
そのまま加速を続けていると風が更に上がりながら後ろへ、TWA155位でエスメを猛追し、釜根ブイあたりでオーバーラップ、何と抜き去りに成功!
城ヶ島の岩場にいかに寄れるかのチキンレース状態でウェイポイントを通過し、コースは110度、20kt近くまで上がったブローの中、巨大なジェネカーの2艇がタイトアビームで意地の張り合い、ほんの少し粘れば城ヶ島の南に出来た巨大なブランケットゾーンがあるため、何とか張り続けようともがいている隙に、後続のカラス、エスプリは早々とジブに変更し余裕のハンドリングで迫ってきます。
耐えきれずにスピンフローするも、タイトアビームの風で回収に手間取りスピンがたも網状態。。
このトラブルの間にエスメラルダはすい〜ッと前に出てしまい、後方から追い付かれたエスプリとカラスの3艇でスピード勝負、エスプリにはレグ途中で抜かれるもカラスは抑えて剣埼ブイまでクローズリーチを走りきりいざ回航!
と思いきやメインセイルが出ずブローチング!!ダサッ!
その隙をカラスが悠々と抜いていきます。
帰りもアビームでとにかくハイクアウト、ブローコール!
気がついたらGP33のセンチュリーファーストGTまで真後ろにせまっており、ずいぶん遅れた感がしていました。
城ヶ島からフィニッシュまでのスタボーロングのクローズでは、カラスがすぐ近くにいてくれたお陰で、自艇のクローズホールドの走らせ方やポイントが鮮明になり、良い収穫でした。
結局フィニッシュはエスメ、エスプリの最大艇が1、2着、3着カラスに1分20秒遅れ、5着GP33センチュリーGTに2分14秒を開け4着でした。
後続を結構離していたのでIRCデビュー戦として良かったんじゃないの〜という雰囲気でしたが、
終わってみれば、同じバーバーのトレーサー(First36.7)やアップル(First300)、に完敗。
更に積年のライバルである第一花丸が優勝!という事で、まだまだ精進が足らんという結末でした。
一応、セイル屋として分析してみますと、1位との差は修正234sなので、レーティングから逆算して3分25秒以上早くフィニッシュしていなければ優勝出来なかったレースです。
更に、デッドヒートを繰り返したカラス様(GS42)がIRC(1.145仮定)だったら2位。さすがです。ラッキーレディーのプラトー25も(0.961仮定)ならエスメに続く3位の予定。来月登場の新艇、KING40はIRCが(1.126仮定)だとすると、今のカラスと同じスピードならブッちぎりで優勝でした。恐るべしKING40。でもどんだけ速いかはまだ判りませんです。
トレッキーもレーティングをTCC1.118(現状は1.166)まで下げられれば、今回の所用時間でも優勝!それは物理的に困難な挑戦な気がしますね。。
しかし、ミスを連発した事やクルーウェイトが足りていなかった事、セイルチョイスを間違えた事は今後カバー出来ますし、何と言っても再来週投入のニューセイルが3分20秒をグググ〜ッと引き寄せてくれるに違いないでしょう! 
そんなセイルを私は製作中、、、、
今週もというか、この雪の中、トタン屋根のロフトで遅くまで頑張ります!
以上、長い週末報告でした。
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