Home > 2009 > 10

10Cruising Tips

First-310 Mainsail

10月に入り、レースシーズンが一段落。今年はケブラーやペンテックスのフィルムラミネートセイルを多数受注させて頂き、私の担当分としてレースセイルを立て続けに製作。久しぶりのダクロンセイルを製作しました。
logo_beneteau.jpeg
西伊豆に停泊されているBentau社製、First-310のオーナー様より、「メインセイルが破れたので、新調して下さい。」というご依頼でした。
-7.jpg
vue_cote.jpg
修理もできそうでしたが、コクピットドジャーにあたるため、150mmブームを上げたい(リーチを短く)というご要望もありましたので、デザインを再構築。
First310-sail-4.jpg
リーチを短くするのでクリューを約2度上げ、リーフも1つのリーフで更にマイナス1度づつクリューが上がる様にします。3ポイントリーフの時には、既に2リーフ分のセイルがブームにある訳ですから、角度を変えないと、その分ブームが落ちてしまい、ドジャーにあたってしまうのです。
リーフする際も、タックを決め、ブーム後端から3ポイントリーフをすると、3ポイントリーフ用のクリューまで距離があり、セイルをブームに近づける事が更に難しくなります。
また、リーフ用のタックも、スライダーとスライダーの間で距離をとらないと、下に溜まったスライダーが邪魔をし、リーフのフックにリングを掛けられない状況も発生してしまうのです。
リーフの位置決めは、生死を分ける重要な要素と考えておりますので、スムースにリーフが出来る様、必ず気を配っています。
クルージングセイルは安ければ良い、という方もおられますが、いざ荒天でのセイリングとなった時、良く考えられた、丈夫なセイルの価値は何ものにも代えられないのではないでしょうか。
セイルの改造、修理、取り回しのご相談等、クルージングクラブ出身者としての経験や、多くのクルージングセイラーから頂いた実際の情報を元に、じっくりお話しさせて頂きます。 お気軽にお問い合わせ下さい。 hl-sails@kg8.so-net.ne.jp 046-878-6100

カラー広告

  • 2009-10-28 (水)
  • News
昨年度に引き続き、カラー広告を掲載致します。
11月発売の舵誌をご覧下さい。
lidgardkazi3.jpg

ご要望にお応えして

pricing_bags.jpg
多くの方にご要望頂いておりました、レーシングクロスを用いたバック類を製作販売致します。
ケブラー、ペンテックス、カーボン、のレーシングクロスと、薄いダクロンを貼付け、強度を増したタフタバージョンの2種類をご用意しております。
チーム用のオプションとして、艇名、通し番号、JPN-(セイルナンバー)の貼付けも承ります。
サイズ、価格、納期等、お気軽にご相談下さい。
hl-sails@kg8.so-net.ne.jp
046-878-6100
担当:大澤

BAVARIA 35 match

今週のお仕事はババリア35マッチというクルーザーレーサーのライトジェノア。
35_MATCH_Titel_Logo.jpg
ババリアヨットのスポーツラインとして販売されていたマッチシリーズ、他にも38、42ftがラインアップされていました、35ftは何隻か日本にあり、クラブレースで活躍しています。
pics.10.jpg
ハル重量が5400kgあり、X−35の4300kgより1ton超、重いです、そのため、ヘッドセイルはほぼ同じラフの長さでも150%オーバーラップのジェノアを搭載し、セイルエリアでカバーしているんですね。 X−35がノンオーバーラップジブでも走れるのは、軽さ故かもしれません。
良い走りを提供出来る様、着実に製作しております。 

Day-3

X-35JAPAN.jpg
X35全日本選手権最終日
スキッパーズミーティングでは6kt以上でしっかりした風が安定するのを待ちレースをする旨の通達があり、また、最終日は午後2時以降のスタートはない事の確認があった。
出航後の1〜2時間は北風が残るものの、安定せず、昼頃収束、全くの無風状態が続く、このまま後2時間風がなければケットフィークの優勝が決まる、しかし、ケットフィークからはそんな期待を微塵も感じさせない強いオーラーが発せられ、最終レースでも最高のポテンシャルを見せようとする気迫が伝わってくる。
時間は過ぎ、12時半頃から南のシーブリーズが入りだす、風向240〜220、それでも6ktまでは安定して吹いてこない、約1時間のレ−スが目標なので、1時以降のスタートとなれば、フィニッシュ後に第2レースはなく、フィニッシュと同時に結果が決まるという、正に一発勝負の展開だ。
17点の単独首位に居るケットフィークと18点で同点2位のエスメラルダ、エスプリ、シュビシュバは何としても、逆転優勝を狙い、ウォーミングアップに余念がない、エスメラルダに至ってはヘルムスが、オーナーからクルーに交代、本気で勝ちにきている。
エスプリにもプラトー24ワールドのブロスメンバーに加えベテランのT氏がタクティシャンとして参加、レベルが高い。
シュビシュバも関西の意地をかけ、虎視眈々と準備を整える。
レース海面は静かに殺気立つ。 
シーブリーズが安定してきたギリギリのタイミングで、午後1時半、最終レースの予告信号が発せられる。
ラインは下有利、全艇2分前位までポートで流し、1分前にスタボーへエントリー、高すぎたワイレアはX-UNITYの上へ追い出されリコール、エスプリも痛恨のリコール、しかし戻る気配がない。
レースは下ピンから飛び出し、グングン左へ延ばすケットフィークを先頭に、エスメラルダ、X-Unity、シュビシュバ、エスプリが続き、リコール解消に戻ったワイレアは右海面へ。
上マーク付近ではギリギリのミートを数回こなし、ラウンディング、ケットフィークは盤石の走りで1位回航、少し離れ追うエスメラルダ、続くX-Untiy, エスプリ、シュビシュバ、ワイレア。
1.jpg
2.jpg
3.jpg
Photo by 舵社
ワンデザインらしく、必ず相手に被せ、すこしでも距離を縮めるジャイブ合戦が行われる。
面白い、これぞワンデザイン。タイミングのずれや、ジャイブ後のスピードビルドが遅れるとたちまち離されて行く、そしてまた下マークで団子となり、ルームの取り合い、エスプリにパスされ4位
回航、2上までは走りも良く、後続の2艇は離してゆく、最終レグでは2位以下を大きく離したケットフィークが堂々のウィニングラン、我々も後続とマークの間を死守し、最終日4位、総合を6位から5位へと上げる事が出来た。
ケットフィークチームの総合力はやはり群を抜いていた、昨年よりも確実に成長していると言えるチームはこのチームだけだろう。優勝して当然、と思われる程、着実に、そしてまじめに練習を重ねて来た事が報われたのではないでしょうか。
ワンデザインレースだからこそ、素直な気持ちで、相手の実力を認める事が出来る、やはりX−35は素晴らしいワンデザインクラスだと改めて確信出来た。
ケットフィーク、優勝おめでとうございます!
優勝.jpg
(成績)
http://www.x-35.jp/news/danishcup09.html
X-35_logo_CMYK.jpg

Home > 2009 > 10

Search
Link & Meta