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10Cruising Tips

X-35OD Jibsails D4 Carbon/technora

まだまだ興奮冷めやらぬX-35全日本の優勝に相乗りして、リドガードセイルの最終兵器を公開。。。
X-35ODのClass rulesではHeadsailsが2枚、ISAFのOSRで規定されているHeavy Weather Jibとストームジブのそれぞれ1枚、計4枚のヘッドセイルが搭載可能です。
2008年のヘッドセイルを開発するにあたり、昨年の西宮沖の海況と、ルールで縛りのあるヘビーウェザージブとの関連を探っていました。
ヘビーウェザージブはエリアが小さく、5月の関東ミドルボートにて25〜28kt(TWS)使用しましたが、全くのパワー不足、ヒールは抑えられますが、強弱のある北東風ではアンダーパワーの時間が多く、
結果から見ても30kt前後までは使用しない方が良いという結論に到りました。勿論、ヘビーウェーザージブをより深くデザインし、使用可能レンジを下げる工夫も必要でしたが、レース艇が1年間で新しく制作可能なセイル枚数が4枚と規定されている事もあり、ヘッドセイルの2枚をバージョンアップする事に精力を注ぎました。
そして完成したのがこの2008年のLtモデルとMdモデル、両セイルともアラミドベースにカーボンとテクノーラを配合したヤーンで構成されたD4(ディーフォー)クロスを使用し、軽量でも伸びの少ないシェイプを実現しました。
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2008 Lidgard sails Light jib [Carbon/Technora D4]
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2008 Lidgard Sails Japan Medium Jib [Carbon/Technora D4]
今回の西宮では6〜10ktのコンディションよりも8〜20kt前後のフルパワーモードが多く、一概には言えませんが、軽風域でのポテンシャルよりも、順風域でのアドバンテージがあった様に感じました。
来年以降はLtとMdのバランスを多少軽風よりにするセットも開発していきたいと思います。
Faster than first
一番のその先へ、リドガードセイルの進化は止まりません。
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やったね、日本一! X-35 全日本選手権 優勝

  • 2008-10-16 (木)
  • News
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10月10日〜13日までの4日間、関西ヨットクラブのKYCウィークに併催された第一回X-35全日本選手権が行われました。
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地元KYCより5艇、関東より2艇、四国、広島より1艇づつ、計9艇のX-35ODが集結、初日のインスペクションとレース3日間の日程、計9レースを消化、激しい攻防の末、Quetefeekが初代チャンピオンとなりました。
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関東の葉山マリーナヨットクラブ(HMYC)所属のQuetefeek-ケットフィーク(木村大介オーナー)は2006年よりX-35に乗り始め、月2回のクラブレース、5月のミドルボート選手権等にも出場している
活気あふれるチームです。 筆者も大学卒業間もない頃からメンバーとして活動してきました。
オーナーである木村大介さんは学生の頃からクルーザーに乗り込みワントンやハーフハーフトンのフォアデッキを経験されたのち、2002年からBenetau First40.7でオーナースキッパーとして活動を再開、
40ftのワンデザインクラスで厳しい戦いを経験されました。
その後、Yamaha33を乗り継ぐのですが、最近のレーティング動向が定まらない状況でもチームとして目標を持てる船、クルージングレーサーとしては帆走性能が高く、リセールバリューがある等の好条件もあり、現在のX-35へと辿り着きました。
昨年のプレ全日本ではチームの状況からヘルムをクルーに任せましたが、やはりご自分で舵を取りたいという思いから、昨年より1年みっちりと練習を重ね、今回の全日本選手権に挑まれました。
周りを固めたセイリングチームも素晴らしかったとはいえ、9レースを集中してハンドリング出来たのは
紛れも無くオーナーご本人の実力でしょう。
リドガードセイルは艇購入後のマストセットアップから始まり、ポーラデータと実際の船の性能差を考慮したオプティマイズを繰り返しました。西宮という湾内特有の海況と10月の風向、風速も組み込み、全日本選手権スペシャルとも言えるセットを提供させて頂きました。
観覧艇の乗っていた人、マークボートの人、本部船の人、そしてライバル艇のタクティシャン、ほぼ総ての人から同じ意見を聞かせて頂きました。
[Quetefeekは速いね]
[ありゃ何回やっても結果は変わらんな]
[なんであんなに上れるんですか?]
ありがとうございます。嬉しいです。セイル屋になって良かったです。
N社やQ社のセイルは世界選手権でも常に上位を占める大変優秀なデザインである事は明白でした。
ですから、それよりも少しでも速く、オーナーが楽に舵を引けるアドバンテージを提供したかった。
今回は乗艇ができず、悔しい思いもありました、しかし自分の丹誠込めて作った化身が最高のポテンシャルを発揮しているのをサポートボートから見たとき、何とも言えない報われた気分になりました。
Quetefeek、大介さん、おめでとうございます!
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